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あるある相談(相続放棄)


仮定の相談内容を題材にして説明します。
愛知県にお住まいの30歳の女性の相談です。
現在は、夫と子どもの3人暮らし。
1週間前に身に覚えのない金融会社Aから私宛に通知書が届きました。
何だろうと思い、中を見たところ、半年前に亡くなった父の借金のことで、父の借金300万円を支払えという内容でした。
父は、私と母を残し、20年前に家を出て行き、その後音信不通になっていました。
半年前に母から連絡を受け、父が東京で一文無しで亡くなっていたとの知らせを受けました。
ただ、葬儀にも参列する気にもなれなかったので、葬儀に参列していません。
私は、父の借金を相続するのでしょうか。
父の相続人は、母と私だけです。私の今の生活は家族で生活するだけで精一杯でとても借金を支払うことはできません。

回答
父の法定相続人は、配偶者である母と相談者の二人で、相続分は、二分の1になります。
もし相続することになれば、相談者は、300万円の二分の1の150万円の債務を負うことになります。
相談者は、借金を背負いたくないとのことなので、何か方法はないかということになります。
この点、相談者が相続放棄ができれば、父の借金を相続することはなくなります。
ここに相続放棄というのは、相続開始を知ったときから3か月以内に、相続を承認するか、放棄するかを選択した上で、相続を放棄する場合は、家庭裁判所に相続放棄の旨を申し立てる制度になります。
相談者の場合は、半年前に父が亡くなったとの知らせを受けているので、父の相続開始を知ってから半年が過ぎ、3ヶ月以内にすべき相続放棄はできないのではという疑問が出てきます。
確かに、相続開始を知ったときから3か月以内にという場合の相続開始を知ったときとは、普通は「死亡した時から」起算するのが原則になります。
しかし、判例によって、例外的に、相続人になったことを知った後でも、被相続人の死亡時に借金がまったくないと信じたことに相当の事由がある場合に限り、法的の3ヶ月の期間経過後でも、「借金の存在を知った時」から起算することを認めています。
ですから、放棄する相続人側において、被相続人の死亡時に借金がまったくないと信じたことに相当の事由があることを立証して、相続放棄の申立をすると良いと思います。
立証としては、金融会社Aから送られてきた通知書の消印のある封筒等を証拠として提出し、被相続人との生前の事情、亡くなった時の事情を説明していくことになります。
また、相談者が相続放棄をする場合、お母さんもどうするか話し合いをすると良いと思います。
ちなみに配偶者は常に相続人となります。
そして、相談者が相続放棄をした場合、今度は、第2順位の相続人が相続人になります。
第2順位の相続人は、祖父母などの直系血族です。
この人達も、自分たちが相続人になったことを知った時から3か月以内に相続放棄をすれば、相続人ではなくなり、今度は、第3順位の相続人が相続人になります。
ここに第3順位の相続人とは、父の兄妹姉妹です。相談者から見ると、叔父や叔母ですね。
なお、叔父や叔母がお父さんよりも前に亡くなっていて、その人に子どもがいる場合には、その子ども、甥や姪も相続人になります。
これを代襲相続と言います。
法定の相続人はここまでとなりますので、この第3順位の相続人が相続放棄をすれば、最終的には、借金を受け継ぐ人がいないことになります。
それから、相続放棄の申立をして認められた後、金融会社Aに相続放棄をしたこと連絡する必要があります。
その際は、家庭裁判所に相続放棄受理証明書の発行の申請ができます。
この相続放棄受理証明書を発行してもらったら、これを金融会社Aに郵送すれば、金融会社Aは、通常は、相続放棄をしたものとして扱ってくれます。

相続放棄したいと思った方の動画です。
ご試聴ください。



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