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少年司法制度

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このページの目次になります。


ここでは、成人とは別に、少年特有の事項を確認していきましょう。

■ 少年司法制度

今回のところは、結構複雑な内容です。しかし、今回の部分は、国家試験では頻出のところになりますので、避けては通れません。それでは、やっていきましょう。

目次

1.少年法における少年とは
2.少年の内容


1.少年法における少年とは

罪を犯した人の中には、成人だけではなくて、少年もいます。
大人が罪を犯した場合には、刑事訴訟法という法律の適用を受けます。しかし、少年が罪を犯した場合は、少年法という特別な法律の適用を受けることになります。そこで、この少年法についても理解をしておく必要があります。
では、まず少年法の基本理念を確認しておきます。
少年法の基本理念ですが、少年法には、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して、性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることだと規定されています(第1条)。

では、少年法における少年とは、何歳なんだろうということですが、少年法では、20歳に満たない者、つまり19歳までの人が少年とされています(第2条第1項)。
この点、国会の方で、2018年に民法が改正されて、もう施行されていますが、2022年4月から、民法では、18歳で成人になります。この点、成年年齢が18歳に引き下げられたとしても、18歳、19歳の者は、未だ成長途上にあります。ですから、罪を犯した場合にも、適切な教育や処遇をすれば、更生が十分に期待できます。そのため、少年法においては、2021年の少年法改正でも、少年は20歳に満たないものとしています。ここは、従来どおり、全ての事件を家庭裁判所に送って、原則として、更生のための保護処分を行うという少年法の基本的な枠組みを維持しています。保護処分には、少年院に収容する少年院送致と社会内で保護観察官や保護司の指導を受ける保護観察などがあります。
しかし、他方で、18歳、19歳の者は、選挙権年齢や民法の成年年齢の引下げにより、重要な権利・自由を認められ、責任ある主体として社会に参加することが期待される立場となりました。そこで、18歳、19歳の者については、少年法においても、その立場に応じた取扱いをすることにしました。つまり、18歳、19歳の者については、少年だとしつつも、これを特定少年として、特定少年については、原則逆送対象事件の範囲を広げたり、また少年の氏名、顔写真等の報道規制を緩めるという扱いにしました。

ここに少年の処遇について、年齢と照らし合わせてどういうことがポイントになるのかを表にしてまとめておきました。

少年法年表


この点について、深掘りします。
今回の改正により、18歳以上の少年(特定少年)については、原則逆送対象事件の対象を拡大しました。逆送は、家庭裁判所が、保護処分ではなく、懲役や罰金などの刑罰を科すべきと判断した場合に、事件を検察官に送るものになります。逆送された事件は、検察官によって刑事裁判所に起訴され、刑事裁判で有罪となれば刑罰が科されます。
原則逆送対象事件とは、家庭裁判所が原則として逆送しなければならないとされている事件を指します。
この原則逆送事件については、これまでの16歳以上の少年のときに犯した故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件に加えて、18歳以上の少年のときに犯した死刑、無期又は短期(法定刑の下限)1年以上の懲役・禁錮に当たる罪の事件が追加されることとなりました。これにより、特定少年については、例えば、現住建造物等放火罪、強制性交等罪、強盗罪、組織的詐欺罪などが新たに原則逆送対象事件となります。

次に、報道規制の緩和です。
少年法(第61条)によって、少年のときに犯した罪については、少年の更生、つまり立ち直りに資するため、氏名、年齢、職業、住居、容ぼうなどによって犯人が誰であるかが分かるような記事・写真等の報道(推知報道)が禁止されています。しかし、今回の改正で、18歳以上の少年(特定少年)については、推知報道が一部解禁されることとなりました。つまり、18歳以上の少年(特定少年)のときに犯した罪については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼうなどによって犯人が誰であるかが分かるような記事・写真等の報道(推知報道)は原則として禁止されます。しかし、逆送されて起訴された場合(非公開の書面審理で罰金等を科す略式手続の場合は除く。)には、その段階から、推知報道の禁止が解除されることとなります。これは、選挙権年齢や民法の成年年齢の引下げにより責任ある立場となった特定少年については、起訴され、公開の裁判で刑事責任を追及される立場となった場合には、推知報道を解禁し、社会的な批判・論評の対象となり得るものとすることが適当であると考えられたことによるものです。
この点は少年の更生よりも犯罪の抑止を重視したということになりますが、反省している少年にとっては、社会復帰する際にかなりマイナスになります。ネット上に推知報道が残り続けると、就職や社会生活を送る上でかなりの妨げになるという指摘があります。このような指摘があることから、少年法の改正法の付則には、施行から5年後に、成人年齢の引き下げによる社会や国民の意識の変化なども踏まえて、必要に応じて制度の在り方を見直すことが盛り込まれています。
確かに、例えば、あいつ生意気だから、皆でぼこぼこにしようぜという呼びかけで、これはやばいでしょうと思いつつも、反対したら、自分がやられてしまうので、集団暴行に参加した。途中で「助けてあげたい」という気持ちが出てきたので、自分は手を止めた。でも、他の者の行動を止めるまでの勇気がなく、他の者の行動がどんどんとエスカレートしていき、被害者が死亡してしまったという共犯事件であった場合、しかも、その少年はしっかりと反省している。このような少年の更生を考えれば、特定少年の推知報道の解禁は行き過ぎだと私は考えます。

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2.少年の種類

では、次に、審判に付すべき少年ということで、少年法における少年の種類について触れておきます。ここでは、3種類の少年プラス特定少年という覚えておかなければいけない言葉があります。

@犯罪少年です。これは14歳以上で罪を犯した少年です。

A触法少年です。読んで字のごとく、法に触れた少年ということで、14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年。これを触法少年と言います。ですから、14歳になっていない者で、刑罰法令に触れる行為をした少年は、この触法少年になります。

B虞犯少年です。虞犯の虞は「おそれ」と書きます。これは、将来罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年。これを虞犯少年と言います。なお、特定少年は、虞犯少年には含まれていません(少年法第65条第1項)。これは、特定少年については、民法上の成年となることなどを考慮し、将来、罪を犯すおそれがあること(虞犯)を理由とする保護処分は行わないこととしたということを意味します。

なかなか聞きなれない言葉かもしれませんが、専門用語として覚えて欲しいところであります。
そして、犯罪少年なのか、触法少年、虞犯少年なのかによって、非行少年に関する手続きの流れが異なります。この点も意識して頂きたいところになります。

この図を見てください。

非行少年手続きの図


で、犯罪少年というのは、罪を犯した14歳以上の少年ということで、実は、14歳未満の少年は、刑法上、刑罰を科せられないとされています(第41条)。ですから、このような14歳未満の少年は刑事裁判所に起訴することはできませんので、少年を検察庁に送致して裁判にかけるということはありません。
犯罪を犯しているにもかかわらず、14歳未満の子どもを罰しない理由ですが、人は、若ければ若いほど、良い方向に大きく変わっていく力を持っていますよね。ですから、小さな子どもは、刑罰で懲らしめるのではなく、刑罰以外の方法で、良い方向に変わっていけるようにしましょうということなんです。みなさんも、私も幼いときがあったわけですが、若ければ若いほど、自分で生きていく力がまだ強くありませんでしたよね。そのぶん、周りの大人たちからの影響を強く受けて育ちますよね。そして、周りの大人たちから自分が大切に扱われていなければ、やはり自分が他の人を大切にすることは、難しいわけですよね。ですから、幼い時に、誤って、犯罪を犯してしまった子どもの処遇について、刑務所や少年院に閉じ込めて厳しくするのはやめよう。それよりも、児童福祉の仕組みの中で、お互いを大切にすることを学びながら生活し、成長していけるようにしようではないか、ということで、刑罰よりも、児童福祉の仕組みに繋げようと考えたわけです。これが14歳未満の子どもを罰しない理由になります。ちなみに、児童福祉というしくみで暮らす場所として、「児童養護施設」や、「児童自立支援施設」があります。

これに対し、14歳になれば刑罰を科せることになります。だから、14歳が大きな境目になります。14歳以上は大人と同じ刑罰が科せるということで犯罪少年と呼ばれているわけです。一方、14歳に満たない13歳、12歳でも殺人とか放火とか、法に触れることをしてしまった少年。法には触れてしまったけれども、年齢上、刑罰を科すことができない少年が、触法少年と呼ばれます。
また、虞犯少年というのは、犯罪少年とか、触法少年とは違います。虞のある、例えば、保護者の正当な監督に服しない性癖のあること、具体的に言うと、深夜徘徊していたとか、パパ活をしていたとか、暴力団事務所に出入りしているとかですね。別にそれ自体が犯罪ではないんですけれども、将来この少年は放っておくと何かやらかしてしまうという恐れのある少年ということで、虞犯少年と言います。これは年齢に関係ありません。ただ、18歳、19歳は虞犯少年とは言いません。特定少年については虞犯少年から除かれています。
虞犯少年は、虞があるというだけで、家庭裁判所の審判を受けなければならないわけです。これは、成人ではありえないですね。例えば、成人が、深夜ふらふらしていても、国家権力によって自由を制限することはできません。

話を責任年齢に戻しますが、14歳未満の少年には刑事責任を問うことができないことから、少年については、犯罪少年、触法少年という概念をこのように14歳で分けています。ただ、犯罪少年は、刑事責任を課すことができますが、少年は、あくまでも可塑性のある、つまり少年は人格的に発展途上であることから、適切な教育や処遇によって更生することができるという考え方をベースにして、少年法による処分を優先させる、つまり刑罰でのペナルティーよりも保護を優先させるということです。どっちもできるわけですが、少年の場合は保護を優先するわけです。ただ、調査または審判の結果、本人が、調査や審判時、20歳以上であることが判明したとき、あるいは、死刑、懲役、禁錮が法定刑にある罪の事件で、家庭裁判所が、その罪質および情状に照らして刑事処分を相当と認めるときには、逆送致がなされます(少年法19条2項、23条3項、20条1項、23条1項)。これを一般的に逆送と言っています。
で、犯行時16歳以上の少年による一定の重大な事件、つまり故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪(殺人罪、傷害致死罪など)の事件などについては、原則として、事件を検察官に送致しなければならないことになっています(少年法第20条第1項、第2項)。

非行少年手続きの図2


で、先程、犯行時16歳以上の少年による一定の重大な事件、つまり故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪(殺人罪、傷害致死罪など)の事件などという言い方をしましたが、実は、2021年5月に少年法の改正がなされている関係でこのような言い方をしたわけです。どういうことかと言いますと、従来は、犯行時16歳以上の少年による故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪(殺人罪、傷害致死罪など)の事件が原則検察官逆送事件でした。2021年改正では、その他に、これに加えて、罪を犯した18、19歳を「特定少年」として、この特定少年については、罰則が1年以上の懲役または禁錮にあたる強盗罪や強制性交罪なども逆送の対象とすることにしました。
これは、現行法の全件家裁送致は維持しながらも、18、19歳について成人と同様の刑事手続きを取る検察官送致(逆送)の対象犯罪を拡大するものになります。これは、2022年4月からの施行になり、既に始まっていることについては先程も説明しました。

では、次に、触法少年とか虞犯少年を深掘りして見ていきます。
そもそも虞犯少年は未だ犯罪を行っていないですし、触法少年は14歳に満たないので、刑罰を科すことができません。触法少年や虞犯少年は、刑罰を科すことができないけれども、ただそれも放置できないねということで、少年法という法律が出てくるわけです。
触法少年とか、14歳未満の虞犯少年というのは、児童福祉法に基づき、家庭裁判所よりも児童相談所とか、福祉の専門機関を優先しましょうということになります。要するに、児童福祉法上の措置が優先します。触法少年や14歳未満の虞犯少年を発見した者は、都道府県の設置する福祉事務所や児童相談所等に通告します(児童福祉法第25条第1項、児童相談所運営指針第14節)。ですから、家庭裁判所は、基本的には、触法少年や14歳未満の虞犯少年を審判に付することはありません。しかし、家庭裁判所は、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときは、触法少年及び14歳未満の虞犯少年を審判に付することができます(少年法第3条第2項、第6条の7、児童福祉法第27条第1項第4号)。

非行少年手続きの図3


また、都道府県知事又は児童相談所長は、一定の重大な罪(故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪、例えば、殺人罪、傷害致死罪など。その他にも、死刑又は無期若しくは短期二年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪)に係る刑罰法令に触れる行為を行った触法少年については、原則として家庭裁判所に送致しなければなりません(少年法第6条の7)。

それから、ここで、虞犯少年の処理について深堀りしておきます。
虞犯少年を発見した警察官等は、少年が14歳未満の場合は、児童通告書により児童相談所に通告することとされています(少年警察活動規則33条第1項第3号)。また、虞犯少年が14歳以上18歳未満の場合は、二通りあって、@児童相談所に通告するか(児童福祉法第25条)、あるいは、A児童相談所が福祉的な措置では指導が困難で、審判に附すべきと判断した場合は、家庭裁判所に送致する(児童福祉法第27条第1項第4号)かのいずれかになります。

2007年に少年院法が改正され、14歳未満の子どもも、少年院に入れられるようになりました(第4条)。だいたい12歳くらいになっていれば、少年院に入れてもかまわない、ということになっています。2007年の少年院法の改正前までは、14歳未満の子どもが少年院に入れられることは、100%ありませんでした。しかし、2003年(平成15年)に、中学1年生(13歳)が4歳児を殺した事件が起きたり、また翌年の2004年(平成16年)にも、小学6年生が同級生を殺した事件が起きたりしたんですね。これらの事件を受けて、世論として、「法律が甘い。もっと厳しくするべきだ」という意見が強くなって、少年院法の改正に至ったわけです。このような経緯で、現在は、14歳未満の子どもも少年院に入れられる可能性があるわけです。巷では、14歳未満なら、犯罪をしても必ず自由でいられるという話を耳にすることがありますが、少年院送致もありうるので、巷の噂話は間違いだということになります。
ただ、少年法第24条第1項では、家庭裁判所は、審判を開始した事件につき、少年院送致の決定をする場合に、決定の時に14歳に満たない少年に係る事件については、特に必要と認める場合に限り、少年院に送致することと規定しています。


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■ 少年院法等の改正と家庭裁判所と他機関との連携

目次

1.少年院法改正
2.少年鑑別所法
3.家庭裁判所と他の期間との連携


1.少年院法改正

次に、刑法、少年法、少年院法、少年鑑別所法の各改正について
1997年に発生した14歳の中学生が起こした、あのショッキングな猟奇事件、そう、神戸連続児童殺傷事件(「酒鬼薔薇聖斗」事件)をきっかけにして、2000年改正で、刑法上、刑事処分の可能年齢が「16歳以上」から「14歳以上」となり、それに合わせて、少年法、少年院法も改正されています。
それから、2007年に触法少年の少年院送致を可能にするための少年院法改正も押さえておいて欲しい部分になります。
改正前の少年院法は、入所者年齢を初等少年院で14歳以上、医療少年院で14歳以上と規定していましたが、それぞれ「おおむね12歳以上」に改められました(第4条)。ですから、触法少年であっても少年院送致が可能なんですよ。法務省は「おおむね」の幅を「1歳程度」としていますので、11歳の者も少年院収容の可能性があります。
このような改正に至った理由ですが、14歳末満の少年であっても、凶悪・重大な事件を起こしたり、悪質な非行を繰り返すなど、内面に深刻な問題を抱える少年については、少年院で非行性を除いていく教育をすることが、本人の立ち直りのために適当な場合があるとか、また、施錠のされない開放施設である児童自立支援施設では対応が困難な少年もいるとか、ということが言われていました。

さらに、2014年制定、2015年施行の少年院法改正と少年鑑別所法の話になります。
少年院法は、1948年に公布された法律になりますが、2014年の改正では、少年院の種類が変更されました。
以前は、少年院について、初等少年院、中等少年院、特別少年院、医療少年院と言っていました。しかし、この2014年改正では、抜本的に、そこら辺の少年院の種類を第一種、第二種、第三種、第四種というように、別の名前に変えて、少年院の種類を見直しました。
第一種は、昔の初等少年院、中等少年院に相当します。
心身に著しい障害がないおおむね12歳以上23歳未満の者が対象になります。
第二種は、昔の特別少年院に相当します。
心身に著しい障害がない犯罪的傾向が進んだおおむね16歳以上23歳未満の者が対象になります。
第三種は、昔の医療少年院に相当します。
心身に著しい障害があるおおむね12歳以上26歳未満の者が対象になります。

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第四種は、少年院において刑の執行を受ける者が対象になります。
少年は刑罰法令に触れる行為をしても原則として刑罰に処せられません。しかし、検察官送致されて、刑事裁判が開かれる場合があります。この刑事裁判において禁錮刑以上が確定すると、第四種少年院に収容されることになります。ですから、この第四種少年院に収容される「受刑在院者」だけは、少年審判による保護処分の対象者ではありません。
この第四種少年院においては、14歳以上16歳未満の少年が対象になります。これは、16歳に達するまでは少年院に収容され矯正教育を受けるとする少年法第56条第3項に基づくものになります。この規定の趣旨は、受刑者であっても義務教育年齢なので、刑務所よりも、少年院での矯正教育が相当だというものです。これが「受刑在院者」ということになります(少年院法第2条3号、第3条2号)。ちなみに、16歳以上の場合、「少年刑務所」に収容されます(少年法56条1項)。
あと、民法改正によって、成年年齢が、2022年4月から、現行の20歳から18歳に引き下げられました。これに併せて、少年法も改正され、特定少年(18歳、19歳の犯罪少年)という制度が新設されています。これは、18歳、19歳の者が罪を犯した場合には、その立場に応じた取扱いとするため、「特定少年」として、17歳以下の少年とは異なる特例を定めたというものになります。
これに伴い、少年院の種別について、従来の第一種から第四種とは別に第五種少年院が新設されました。
第五種少年院の対象者は、特定少年が2年間の保護観察となった場合で、しかも、保護観察における遵守事項に対する重大な違反があり、本人の改善及び更生を図るために少年院における処遇が必要とされると判断された場合になります。
ちなみに、保護観察対象者の種類は何種類でしたでしょうか?
そう、1号観察から5号観察、それから、少年法第64条観察というものがあります。これは、家庭裁判所で保護観察に付された特定少年が対象になります。

それから、少年院法では、2015年から、社会復帰、出た後も支援ができるような制度にしています。例えば、相談ができるとかです。
あと、それ以外にも、外部交通、つまり面会、信書、電話をどうするかとか、古い法律は、職員の権限が十分に明確になっていませんでした。しかし、少年院に入ってる少年にも人権がありますから、職員の職権乱用がないように、きちんと職員の権限を明確化したり、少年において文句が言いたい時は、きちんと不服申し立てができるようにする必要があります。そこで、それまでの古めかしい制度をきちんと整備をしたわけです。

2.少年鑑別所法

さらに、2014年には、少年鑑別所について独立した法律を制定しました。これが少年鑑別所法です。施行は、2015年です。
少年鑑別所というのは、要するに、事件を犯して家庭裁判所に送られた後、家庭裁判所で少年を少年院に送るのがよいのか、保護観察がよいのか、などと決めなければならない段階で、観護措置の決定により、少年を入所させるところになります。
この少年鑑別所において、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識及び技術に基づいて、その少年の施設の中での生活態度などを見て、鑑別及び支援を含む観護処遇を行うわけです。なお、警察のような取調べは致しません。
そして、家庭裁判所はその調査結果をもとに、少年を少年院に送ったり、保護観察、つまり親の元に返したりする処遇にするか、等を決めます。その決めるための鑑別、いわば調査ですね。この調査のアセスメントをするのが少年鑑別所というところになります。
なお、観護措置には、少年鑑別所への送致以外にも、少年を家庭裁判所調査官の観護に付する措置というものもあります(少年法第17条第1項第1号)。家庭裁判所送致後に、身柄拘束を伴わずになされる観護措置です。在宅送致と呼ばれます。

そして、それまで少年鑑別所の独立した法律がなかったので、2015年に新しく法律をつくりました。その内容としては、少年鑑別所が、その地域社会からの相談に乗ったりすることもできるように、単に鑑別、アセメントだけをするのではなくて、地域に開かれた活動ができるようにということで、地域の中での非行とか、犯罪防止の援助をできるようにするような機能を充実させました。要するに、少年院とか、少年鑑別所の役割が、法律できちんと整備をされたということです。これは、知識として覚えておいてください。
あと、国家試験でも問われているので触れておきますが、少年鑑別所法第17条です。
第17条では、家庭裁判所等の求めによる鑑別等という規定があります。「少年鑑別所の長は、家庭裁判所、地方更生保護委員会、保護観察所の長、児童自立支援施設の長、児童養護施設の長、少年院の長又は刑事施設の長から、保護処分に係る事件の調査を受ける者等について鑑別を求められたときは、これを行うものとする。」
このように家庭裁判所だけではなく、その他いろいろなところから鑑別を求められるという制度になっています。ただ、この中に、警察官は含まれていませんので、注意が必要です。

3.家庭裁判所と他の機関との連携

次に、家庭裁判所は、少年保護審判を担当しますが、他の機関との連携について触れておきます。

(1)警察や検察との連携
ここでは、警察や検察との連携を見ておきます。
家庭裁判所送致までの手続きの流れとして、警察は、犯罪少年を検挙した場合、原則として、罰金以下(罰金を含んだ罰金以下)の刑に当たる犯罪の被疑事件は、直接に家庭裁判所に送致し、それ以外の刑に当たる犯罪の被疑事件は検察官に送致します。で、検察官は、事件を家庭裁判所に送致します。要するに、犯罪少年については、警察から家庭裁判所へ送致されることもあれば、検察官から家庭裁判所に送致されることもあります。
なお、以上の話は、原則であり、例外があります。
交通反則通告制度。これは、自動車または原動機付自転車を運転中の軽微な交通違反(「反則行為」)につき、反則行為の事実を警察官等により認められた者が、一定期日までに法律に定める反則金を納付することにより、その行為につき公訴を提起されず、又は家庭裁判所の審判に付されないことができる法制度になります。この交通反則通告制度に基づく反則金の納付があった道路交通法違反の場合は、この交通反則通告制度の中で処理されます。

非行少年手続き4


(2)試験観察(連携としての補導委託)
それから、試験観察についても触れておきます。
家庭裁判所の処分には、保護処分というものもあります。
ここにいう保護処分というのは、家庭裁判所に送致された少年を更生させるために行われる少年法上の処分のことです。
保護処分には3種類あります。保護観察、少年院送致、児童自立支援施設又は児童養護施設送致の3種類です(少年法第24条第1項)。
家庭裁判所では、少年に対する保護処分を直ちに決めることが困難な場合に、少年を適当な期間、家庭裁判所調査官の観察に付することがあります(少年法第17条第1項第1号)。これを試験観察といいます。この試験観察においては、家庭裁判所調査官が少年に対して更生のための助言や指導を与えながら、少年が自分の問題点を改善していこうとしているかといった視点で観察を続けます。この観察の結果なども踏まえて裁判官が最終的な処分を決めます。
ちなみに、試験観察を行う際、民間の人や施設に指導を委ねて観察することもあります(これを「補導委託」といいます。)。


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