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 あるある相談(親子の面会交流支援)

名古屋市市政資料館


2019年5月19日、面会交流(親子交流)支援の日本ファミリービジテーションサポートセンターが主催するドキュメンタリー映画上映会に行ってきました。
映画のタイトルは、「Mammy or Daddy ?」です。映画監督は、John LaDue さん。場所は、名古屋市市政資料館でした。


映画のストーリーを要約するとこんな感じです。
離婚した若い男女がいました。その男女の間には、一人の子ども(息子)がいました。
離婚の際に子どもの親権者は、事情は分かりませんが、父親となり、子どもは、父親とその両親と一緒に生活しています。
母親は、子どもと会いたい気持ちから、何度か元夫宅に電話をして、子どもとの面会を求めますが、全く敵わずじまいです。
母親は寂しさのあまり、クスリを大量に飲み、病院に救急搬送されます。
病院の処置の甲斐があって、母親は医療によって命を救われました。
母親は自分を見つめ直し、その後、いつか子どもと再会した時に、子どもに胸を張れる人間になっていなければならないとの想いを持つようになりました。
彼女は、その後、自分の生活を立て直すための数々の努力をしていきます。
例えば、仕事は、不安定なものではなく、英会話の教師をするようになり、人に教える喜びを感じながら仕事をしていきます。
また、途中で、面会交流支援をしている団体であるNPO法人ウィーズと関わるようになり、自分と同じく子どもと会えない人達の支援をするようになりました。
このような生活をしていきながら、自分もいつかは子どもと会えるように諸々の準備をしていきます。
ただ、この映画の中では、彼女は、子どもと会える段階には至らず、この後の課題を残しつつ、映画は終わりを迎えました。


私は弁護士として面会交流の場面に出くわすことが多々あります。
そして、現在の日本では、子どもファーストで考えていきましょうということが言われています。
この考え方自体は間違っていないと思います。
しかし、同居親は、別居親に対する敵対心、不信感等から、自分の気持ちを優先させがちになります。
また、子どもは自分の意見を言うのは苦手です。
しかも、特に同居親の意見や態度に影響されやすい存在です。
私が経験した案件でも、離婚前の親子関係は良好であったにもかかわらず、離婚後に別居親が子どもへの面会交流を求めると、同居親からは子どもが会いたくないと言っていると言われることは多々ありました。
特に子どもの年齢が低いほど、その傾向は強くなります。
同居親は、子どもファーストで考えましょうといろいろな場面で言われます。
しかし、自分の感情でいっぱいになっており、聞く耳を持っていないことが多いと思います。
中には表面上の子どもの別居親と会いたくないとの言葉を自分の言いように利用して、子どもが会いたくないと言っているのにどうして会わせなければならないのかと訴えてくることもしばしばでした。
ここでよく考えて欲しいのが、この点の選択を子どもに求めること自体が非人道的だと言うことです。
親の否定は自分自身の否定にも繋がる屈辱的な行為です。
このような選択をさせることは子どもの発達にとって悪影響があることは明らかなのではないでしょうか。
このような結果になってしまう前に我々大人はもっと真剣に親子の面会交流について考え、よりよい制度を作っていかなければならないと思います。
別居とか、離婚になっていなければ、何の支障もなく会えていた親子。
そして、親の都合により両親の離婚を経験し、訳が分からず混乱する子供たち。
それだけではなく、心のよりどころであった別居親と会えなくなる子供たち。
これ以上子供たちを混乱させるのは非常に忍びないと思うわけです。
大人の事情で離婚することはやむを得ないとしても、子どもにはせめて親子の面会交流は保障してあげたいと思うのですが。


今回の映画は、母親と会えなくなった子どもは出てきませんので、この映画からは子どもの気持ちを汲み取ることは出来ません。
他方で、母親が子どもと会いたいという気持ちは物凄く伝わってきます。
今回の映画は、どちらかというと別居親が共感するような映画だと思います。
子どもに対して後ろめたい気持ちがあるだろう同居親がこの映画を観ることはなかなかないのかもしれません。
ですが、何とか同居親にもこの映画を観て貰いたい。
それによって、別居親も親として子どもの成長を楽しみしていること、別居親自身もいつか子どもに会えたときに胸が張れるように一人の人として頑張っているのだということを感じて貰いたいと思います。
この映画を通して、同居親には、別居親の生き様を観てもらい、多少でも共感してもらいたいです。
この映画を観た同居親には、子どもに素敵な別居親がいるということを教えてあげたい、子どもに関わって欲しいと思って貰いたいですね。
いずれ子どもは大人になります。そして、多くの人が結婚をして、子どもの親になります。
その際に、別居親との交流がなかった人は、身近に別居して交流がなくなってしまった親の手本がいなかったことから、自分が親の立場になったときになかり戸惑うようです。
いろいろな意味で、親子の面会ができなかったことが子どもの成長に影響してくるようです。


今回の映画を視聴して、いろいろなことを考えるきっかけとなりました。
是非、同居親の方にも観て貰いたい作品です。
そうすれば、ハッピーになる子どもが増えるのではないでしょうか。
少なくとも私は切にそう願います。
最後に、このような視聴の機会を与えて下さった日本ファミリービジテーションサポートセンターさんには感謝申し上げます。


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